晴海

免許を取って1年ちょい
まだまだ運転には自信の無い私だけれど

何かに答えが見いだせなくて
無心になって一人で居たいとき
私は車に乗り込む

仕事を定時に切り上げ

本日のコースは
明治通りから始まり晴海通りへ
キラキラ賑やかなお台場を横目に
目指すは晴海ふ頭公園

私にとって海のある場所、
特に晴海は「大人になる場所」だ。

というのは
元彼が働いているのも晴海
そんな彼と逢瀬してたのもこの界隈
今の彼が、元彼から私を離れさせたのもここ晴海だったりする。

そんな晴海になんで行きたいんだろう？
理由なんてわからないけれど、とにかく晴海に行きたかった
気が付いたら何も考えず向かってたどり着いたのが晴海だった。

雨でよどんだ都内を駆け抜け
胡散臭いくらいにきらびやかに光る街を走り抜ければ
理想と現実の線引きができる、とでも思ったのだろうか？

それとも

どんなに考えても悩んでも
どれだけ時間を費やしても受け止められない現実に
違和感抱いてもがいている自分が
間違っているのか？合ってるのか？
の答えを元彼に教えてもらいたかったのだろうか？

会えもしないのに。
会えたとしても話すことはないのに。
というより、会いたくないのに


■

きっと今の私は宙に浮いてる気分なんだ。

フワフワフワフワ地に足着かない状態に不安で
自力じゃどうにもできないから
誰かに舵取りして安全な方向へ導いて欲しいんだ。

その舵取りにピッタリなのは
悲しいけれど元彼なんだと

彼には悪いけれど
元彼なんだと

心の中で感じているから
晴海へ来てしまったのかもしれない

ねぇ、教えてよ
助けてよ

お願いだから　私を孤独な闇に置いてかないで

そう心の中で叫ぶ自分に気が付いて
情けなくて馬鹿みたいで
どうしようもない気持ちになった。

あまったれんな、私！